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『神棚のまつり方』

 家庭に神棚を設けるのは、その家の繁栄と平和を祈るためです。一家の人々が心をあわせて、神さまを敬い、祖先を尊び、子孫を愛するのが家庭の信仰でありましょう。このような気持ちで神棚を拝めば、神さまや御祖先さまがお守り下さり、家庭は円満に子孫代々まで繁栄することでしょう。
 神棚は清浄で、家庭の人に親しみやすく、毎日拝んだり、お供え物を上げるのに都合のよい場所を選びます。神棚は南向き、または東向きがよいとされ、下をくぐり抜けないような場所がよいのです。場所が決まったら、天井から吊るなり、鴨居を利用するなどして棚を設け、その中央に宮形を置きます。棚の大きさは宮形などの大ささで変わりますが、適当な大きさにします。
 宮形は神社の社殿をかたどったヒナ型で、その中に神札をおまつりします。その形には神明造や流れ造、箱宮形などがあり、また一殿造、三殿造があります。三殿造の場合、中央が最高位で、次が向かって右、その次が向かって左となります。それで中央に天照皇太神宮の大麻をまつり、向かって右に氏神さまの神札、左に各自が信仰する神社の神札をまつります。一殿造の場合は一番表面に天照皇太神宮の大麻、次に氏神さまの神札、次に信仰する神社の神札を重ねてまつります。
 宮形の左右前に榊や灯明具をたて、正面には鏡をすえます。その前にお供え物をします。
 榊は「栄える木」のことで、花立てや井桁枠に収めた榊立にさして飾ります。灯明は灯明皿とかローソクを用いますが、最近は電気を利用したものもあります。
 神棚の前面には注連縄をかけます。注連縄は本の太い方が向かって右、細い方を左にしてかけ、四垂れの紙垂を四つ下げます。毎日のお供え物としては、米(あるいはご飯)・塩・水の三品が普通です。酒は瓶子に入れてお供えします。おまつりの時は海の幸や山の幸をお供えします。ふだんでも初物や到来物は、必ず神棚にお供えしたいものです。お供えするものは、三宝または折敷に盛ってお供えします。
 神棚に参拝するときは、まず手を清め、口をすすぎ、お供えします。そして二拝(深くおじぎを二度)二拍手一拝します。家族で参拝するときは主人が前に、家族は後ろに並び、主人の作法に合わせて拝礼します。

 


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