知っておきたい 葬儀の基礎知識

もしもの時の対処



医師から危篤との診断を受けたら

家族と相談をし、会わせたい人(親族、本人の勤務先や学校、役職を持っている団体、本人と特に親しい友人・知人など)に連絡をします。

ご逝去

病院でお亡くなりになられても、ご自宅でお亡くなりになられても、「死亡診断書」が必要です。

事故や自殺、原因不明でお亡くなりになった場合は、警察の検視が必要です。遺体は動かさないで、警察に連絡し、「死体検案書」を発行してもらいます。

旅先や遠方で亡くなられた場合は、現地で火葬する場合と、遺体のまま自宅に搬送する場合があります。海外の場合は、法律が異なりますので、現地の大使館に相談しましょう。

また、献体などの登録をされている場合は、該当連絡先に連絡します。


末期の水

ご臨終の直後に、遺族や近親者で「末期の水(死に水)」をとります。病院で亡くなられた場合は、搬送・安置後に「末期の水」をとることもあります。

死後の世界でのどが渇かないようにという祈りをこめ、水を含ませた新しい筆の穂先、ガーゼ、割り箸の先に白糸で巻きつけた脱脂綿などで故人の唇を湿らせます。
一般に、喪主、それから血縁の深い順に行います。

清拭

ご遺体のお清めをします。
病院で亡くなられた場合は、看護士さんらによって、「清拭(せいしき)」と呼ばれる死後処置が行われます。ご遺体の全身をアルコールで丁寧に拭き清め、耳、鼻、肛門などに綿を詰めます。

その後、ご遺体は霊安室に移されます。

親族と葬儀社への連絡

家族、親族の方などに連絡をとります。連絡する範囲は三親等が目安です。
伝える内容は、メモ書きにしておく方がよいでしょう。
式日程などが決まってから連絡する場合と、とりあえず連絡する場合があります。

葬儀社に連絡します。
病院で亡くなられた場合、病院で葬儀社を紹介してもらえますが、もちろん、それ以外の葬儀社に頼むこともできます。病院から紹介される葬儀社に、ご遺体の自宅への搬送だけを依頼し、他は後からゆっくり決めるのもいいでしょう。


病院からの搬送と安置

病院で亡くなられた場合、ご遺体は霊安室から、葬儀社の寝台車でご自宅へ搬送します。
しかし、住宅事情によっては、斎場などの遺体安置室に搬送することもできます。

ご自宅に着いたら、ご遺体を「北枕」(または「西枕」)にして布団に寝かせます。
顔を白い布で覆い、両手を胸元で合掌させて、数珠をかけます。

ご遺体の傍に白木の台、または白布をかけた小机を置き、線香、ろうそく、花などを供えて「枕飾り」とします。
地域や宗派によっては、「逆さ屏風」、魔除けの「守り刀」を置くこともあります。

湯灌

ご自宅で亡くなられた場合は、ご遺族や葬儀社がお清め(清拭)を行います。

専用の施設や専用車での入浴を伴うお清めを「湯灌(ゆかん)」と呼びます。最近では専門で湯灌サービスを行う会社もあります。

また、葬儀まで日数がかかる場合や、長期闘病や事故死によってお顔が変形している場合などには、「エンバーミング」と呼ばれる特別な防腐・復元の処置を行うこともあります。

着替え

ご遺体には「死化粧」をし、「死装束」を着せます。
髪を整え、爪を切り、男性の場合は髭を剃り、女性の場合は薄化粧をします。
着替えの際、普段の逆で左前に白装束や浴衣を着せます。最近では、故人が生前好んでいた衣服を着せることもあるようです。

逆さごと

ご逝去後の儀礼には、日常の作法・習慣を逆さにしているものが多くあります。それらを「逆さごと」と呼び、「着替え」左前に着せたり、「湯灌」の作法で水にお湯を入れて湯温を調整する「逆さ水」などがそれにあたります。「逆さ屏風」は、安置したご遺体の枕元に屏風を逆さまに立てる作法です。



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