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『新盆の迎えかた』

 故人が亡くなってから初めて迎えるお盆を「新盆」(にいぼん)といいます。喪明け前にお盆に入った場合は、翌年のお盆が新盆となります。故人は亡くなってから百か日まで、努力精進を続けながら霊界で過ごしておられます。この故人が、心から待ち望んでいる休息日が、新盆なのです。
 新盆は故人の霊が初めて帰ってくるという言い伝えから、一般のお盆よりもねんごろに供養をします。親戚や縁者から盆堤灯が贈られ、軒先に新盆堤灯(地域によって異なるが、絵柄のない白張堤灯)を飾るのが正式だといわれています。通常の盆棚とは別に、新仏の祭壇を用意することもあります。霊前にはきまったお盆のお供えの他に、故人の好物なども供えましょう。これらの供物は、お墓にも供えます。お仏壇の灯明は絶やさないように気を配りましょう。
 葬儀の時にお世話になった方や、親戚、知人、近親者を招き、壇那寺の僧侶を迎えて回向してもらいます。招待された方は「御仏前」もしくは「御供物料」を持参して霊前に供えます。僧侶には「御布施」を差し上げ、これに「御膳料」を添えるのが普通です。その後に、参会者全員で供養の意味で食事(お斎)をします。新盆の供養の時は、一般的に遺族は男女とも、正式喪服を着るのが習わしです。
 壇那寺で営まれる精霊供養は、お寺がお盆の期間中、新盆の精霊を中心に信徒各家の寺位牌(本位牌)を精霊棚で供養し、お盆の最終日に送り火を焚く行事です。この時、灯籠流しのできない地域では、白木位牌を、その火で焚きます。
 また、僧侶を自宅に招かず、家族でお墓参りに入った際に「御布施」を届け、供養をお願いする場合もあります。

 


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