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『仏間について』

 お仏壇を安置する場所として、仏事を行うことだけを目的とした仏間があると理想ですが、実際に仏間のある家庭は少ないものです。古くから、お仏壇を安置する部屋には、二つの考え方がありました。
 ひとつは、床の間のある、家の中でもっとも立派な部屋に安置する方法です。これは、浄土真宗の家庭に多く見られ、「お仏壇は本尊をまつる場所」という考え方からきているようです。
 浄土真宗以外の宗派では、お仏壇は先祖の位牌を置く場所という意味合いが強いので、家族が日夜先祖を敬うことができ、また先祖も子孫を見守ることができるようにと、普段家族が集まる部屋に安置したようです。
 もしもこれから新築をするのであれば、先に家に安置するお仏壇を決めてから、仏間を設計しましょう。先に仏間を造ってしまうと、仏間に合うサイズのお仏壇が限られてしまうためです。設計にあたり注意しなければならないのが、安置する床を頑丈なものにするということです。お仏壇は重たいので、床の造りがいいかげんだと、お仏壇の重みで床が傾いてしまうこともあります。床が傾くと今度はお仏壇が歪みはじめ、扉が開かなくなることもあるのです。仏間の敷居は、お仏壇の天井が少し隠れるくらいが理想でしょう。床かまちにのったお仏壇の高さよりも、5p程度低めにしておくとよいでしょう。お仏壇を安置するスペースは、一般的なものは間口半間、奥行半間というもの、つまり畳半畳分です。仏壇店でもっとも台数の出るお仏壇は、このサイズです。中には間口一間、奥行半間というサイズもあります。
 お仏壇の下には、床かまちを敷くのが一般的です。その時できれば、安置した本尊の位置が、お仏壇の前に立った時の目線の位置よりも高めになるようにします。また、お仏壇を置く方角が気になるのであれば、西の方角で死者が生まれかわるという「西方浄土」の説をもとに、部屋の西側に安置することをおすすめします。ただし、お仏壇の傷みにつながるので、直射日光のあたる場所は避けてください。

 


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