Web仏事百科事典 こころのこもった、供養のための仏事まめ知識
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『ご法事の心得(参会者側)』

 法事に招かれたら、特別の用事がない限り、できるだけ出席するようにしましょう。仏教では法事を営むことを「勝縁である」といいます。故人や遺族のためだけでなく、自身のためにもぜひお参りしたいものです。施主からの案内通知を受けたら、できるだけ早く返事をしましょう。案内には、「あなたにお参りしていただきたい」という施主側の「施主の心」が宿っているのです。できれば返信を出す前に、電話を入れておくのがよいでしょう。
 招待を受けたのに、止むを得ない事情で出席できない場合は、早目に欠席の連絡をしましょう。そして、法事が三回忌までの時は「御仏前」を送ります。故人と特に縁が深い場合は、この他に香や供花、もしくは御供物料、供花料を届けます。また、法事当日は無理でも、できれば法事前に機会があれば訪れて焼香し、お参りしたいものです。この場合、必ず事前に先方の都合を確認しておきましょう。
 服装は、略式喪服もしくは地味な外出着が一般的です。男性なら紺やグレーの背広、女性は地味な色彩のスーツやワンピースでかまわないでしょう。七回忌以降の法事であれば、それ以前よりも、もう少し軽い服装にしてもよいといわれています。もしも案内通知に服装についての指示があれば、それに従いましょう。また、数珠は必ず忘れず持参してください。
 法事に招かれたら、「御仏前(「御香料」もしくは「御香資」ともいいます)」を包み供物を持参するのが常識です。ただし、自宅以外の寺院や墓前での法事では、供物が用意されていますし、同じお供えが重なることもあります。ですから、「御供物料」として持参することもあります。不祝儀袋に「御仏前」(四十九日までは「御霊前」)、「御供物料」を表書きして、下に姓名を書きます。水引きの色は、黄白か銀白がふさわしいでしょう。この「御霊前」の包みや供物は、本来霊前に手向けるものですが、受付けがあれば接待係の遺族に、なければ直接施主に渡しましょう。また、塔婆をたてる時は、「御塔婆料」として施主に渡します。
 焼香には、祭壇へ進行して行う場合と、自分の席で行う「回し焼香」の2通りがあります。順序が決まっている時は、スムーズに焼香が進行するように努めましょう。一般的作法としては、焼香台のある仏前に進み、本尊・遺影・位牌を仰いで合掌、礼拝をします。次に焼香の抹香をつまみ、念じて香炉へ焼香し、最後に合掌、礼拝をします。

 


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