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『棚経とお墓参り』


1.棚経
 お盆にあげてもらうお経を「棚経」といいます。精霊棚の前であげるお経のことです。
 お経をあげる前に精霊棚を設けますが、精霊棚がない場合は、お仏壇を清掃してその前に台を設け、盆花、盆飾り、お供えを用意しましょう。
 壇那寺の僧侶は、お盆の決められた期間中に、全ての檀家と信徒の家を訪ねて回向します。こうした全檀家信徒の家をお参りする風習は、江戸時代の「邪宗門改め」に基づくものとされています。
 棚経の時は、お経が始まるまでに家族全員が精霊棚の前に揃ってお参りします。礼を失することのない服装で、テレビやラジオは消しておきましょう。
 お布施の包みは、既製の不祝儀袋か半紙を折って、墨か黒インクで「御布施」と書きます。お布施は棚経が始まる前に、あらかじめ包んでおきましょう。
 棚経は本来、精霊棚の入魂法要としての性格を持っています。先祖代々の諸精霊だけでなく、有縁・無縁の三界の万霊を供養する大切な法事と考えられています。
 なお、浄土真宗については、精霊棚などの特別のお飾りはせず、棚経も行いません。

2.お盆のお墓参り
 まず、先祖の霊をお墓に迎えに行きます。お墓の掃除は、お盆の前日までにすませておきましょう。お墓で迎え火を焚き、「どうぞわが家へご案内します」と迎えます。
 お盆の期間中、わが家でくつろいだ先祖の霊は、お盆最後の夕方に、お墓まで送って行く気持ちをあらわして、送り火を家の前で焚きます。送り火を焚いた後、お墓にお参りし、冥福を祈ることも大切です。
 こうして、お盆は先祖の霊を送迎するためのお墓参りとともに、無縁仏への供養もあります。自分につながる方々という思いで供養をすれば、日頃寂しいであろう無縁仏は喜ばれることでしょう。
 また、年忌法要などはもちろん、思い立った時にはいつでも先祖をたずね、お墓参りをしたいものです。

 


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