Web仏事百科事典 こころのこもった、供養のための仏事まめ知識
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『長男だけにお仏壇は必要?』


Q.父が亡くなりましたが、自分は長男ではないので、仏壇はいらないと思うのですが。

A.仏壇を持つ家が少なくなってきた最大の理由として、核家族化が進み、家というものに対しての意識が希薄になってきたことがあげられます。
 特に実家を出た次男や三男の中には、自分たちには先祖を供養する義務はないと考えている人もあるようです。そのような家では当然仏壇もいらないと考えがちなのですが、これは間違った考え方だといわざるをえません。
 自分が長男であっても、次男であっても、先祖を供養するということは同様に大切なことです。まして自分の親が亡くなったというような場合には、是が非でも家に仏壇を置きたいものです。
 亡くなった親の立場にたって考えると、長男だけが自分の供養をするということで満足するでしょうか。やはり子供たち全員に供養をして欲しいでしょうし、逆に仏壇を通していつも子供たちの生活を見守っていたいと思うでしょう。
 子供の立場としても、親が亡くなってからも、自分たちの毎日を見守ってもらいたいしあの世で幸せに暮らしてほしいと思うのが自然ではないでしょうか。そのような気持ちを日々表現できるのが仏壇であり、仏壇があるからこそ、そうした気持ちを忘れずに生きていけるのです。
 また位牌は、故人一人に一つと考えている人も多いようです。
 けれども実際には位牌の数が一つという決まりはなく、むしろ親が亡くなった場合に、実家を出ている子供がいれば、その数だけ位牌をつくるものです。亡くなってからしばらくして、子供が実家を出るような時も、位牌を新しくつくるべきでしょう。
 位牌がいくつもあったら、亡くなった人の霊はいったいどこにいるのかと疑問を持つ人もいるようですが、位牌イコール故人の霊というわけではありません。位牌はそれを通して故人の気持ちとつながることのできる窓のようなものです。私たちと故人の霊をつなぐ絆といってもいいでしょう。
 仏壇が、どんな家でも必要なのは、ここに理由があるのです。
 故人との絆である仏壇です。次男であっても三男であっても、無くてはならないものなのです。

 


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